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前進翼カナードダクト実験機 プテラナード(2006.7.29)

写真上=上飛行に成功したプテラナードU(主翼改良型)

写真下=初代プテラナード(エルロン効き甘く飛行困難だった。)

翼 長 1,000mm
翼面積 15du  カナード6.6du
全 長  920mm
重 さ 750g
モーター enpowerDF-450
アンプ HP-TITAN30A
リポ 1700mAデュアルスカイ(ノーマル)
ダクト エンルート製
翼型 AG38
先尾翼型 クラークY→対照プログレッシブ
操縦 4ch4サーボ1アンプ(主翼2サーボ
フラッペロン)前輪操舵可能
主翼前縁エルロン、前輪ラダー
その他 GY-190ジャイロ(エレベータ)
データ ダクト推力450g(単体測定)
電圧10V/電流22A/220W

目的

先尾翼+前進翼ダクト機を製作。実験的な要素を数多く行い、先進的なダクトカナードのフラッグシップ機を製作する。

工法

胴体:マイクログラスFRP(テープパック工法)ラッカー塗装
翼:バルサリブ組→1mmスチレン→テープ貼りバルサ+オラカバ
尾翼:バルサ+スチレン→テープ張
オラカバ仕上げ

仕上

胴体:サンディングシーラ後ラッカー
主翼フィルム(オラカバ)色テープ(パラメンPPテープ)


関連リンク

震電プロジェクトあとがき カナードグライダー エンテ型飛行機

先尾翼機について


◆ (ダート)滑走離陸成功
 NEW!

滑走離陸(9MB)


◆ 大成功 セカンド飛行インプレッション 

実はもっとゆっくりテストをして飛行させるつもりであった。しかし主翼仰角を見る舗装路でのテスト滑走でアップを引いたら、いきなりビュンと10mほど45度くらいの角度で上がってしまった。すでに着陸できないところまでいってしまっていたのでそのまま飛行させた。このときは舗装路に軟着陸しすばらしい低速性能・無失速特性を見せた。エルロンの効きも申し分なく大変素直な機体ができた。(写真下=快調に飛行するプテラナード)

◎飛行ビデオ

1.手なげ離陸(4MB)  2.通常飛行(5MB)

しかしビデオを撮らないと飛行をアピールできないのでその日の午後Oositaさんに協力してもらいビデオ撮影をした。今は夏の草が一番ひどい時期なので地上滑走は無理でしかたなく手投げでおこなった。手投げ直後から安定した上昇を続け、フルスロットルでなくても十分安定した上昇をした。スロットル開度による姿勢の変化が大きく(スローで頭上げ)まだスラストや翼の仰角・トリムに調整の余地があるものの十分コントローラブルだ。これまでのダクト機の常識を覆すスロー安定、大仰角での姿勢である。また着陸は十分な低速で失速の心配をせずにおろせる。この実験の成功によってこれまであまり例のない前進翼カナードの新しい一歩を踏み出したと思う。

◆ 初飛行インプレッション

まず最初に地上滑走のテストである。結果としては全く浮く気配がなかった。
理由として@エレベータの舵角不足.A機体の仰角不足がわかった。
そのビデオはこちら

とりあえずエレベータの舵角を倍に修正して飛ばしてみることした。エルロンの効きは飛ばさないとテストできないので草むらで行なうことにした。
結果は前縁エルロンの舵角が少なすぎ、機体の左クセを修正できず木に激突した。ビデオはこちら。 
(写真右=発進直後から左に取られながら飛行するプテラナード)

その状況を説明すると、手投げした当初から左に取られながらゆっくり加速していった。エレベータはちゃんと効いているがいくら右に打っても効かないためノーコンかと思い、左に打ち変えたらちゃんと効いたためますます傾きは大きくなった。エレベータは引いたが、ナイフエッジ状態のまま小山の立木に激突した。

反省点としてはすぐスロットルを絞るべきであった。しかし中途半端にコントロールできるため、何とかしようと思い結果的に最悪の結果となった。

しかし今回の飛行で見えてきた事実からすでに修理改造機に着手している。

改造点
@主翼エルロン部の改造。
A全体の仰角の改善。垂直尾翼の改良。
Bフィルムによる主翼の軽量化。

パワーやスピード、ピッチ安定については申し分なくこのまま上記事項を改善すれば飛行は可能と判断した。主翼エルロンについてはアドバースヨーの影響を最小にし、揚力変化・ピッチ変化の少ない方式をもう一回追求したい。

◆ 計画について(序章)

前回のガルフストリームも良好な結果となり、次のダクト機の候補を考えていた。たまたまRCグループでアニメクラフトのところに「RoteBlitz」というオリジナル先尾翼を見てダクト機としては機体形状が最適であるように思えた。この機体はFMSが元祖のようである。 細く流線型の胴体、胴体自体に揚力と自立安定のありそうな形状、安定感のある大きな尾翼。早速スチレンペーパーにて試験機を製作したところ大変スムーズに飛んだ。(ビデオ) これはイケル!と思い早速設計図を書いた。

しかしそのままではダクトにはできないので必要な部分をデフォルメし、操縦方法を何十回もスチレン試験機で実験しながら煮詰めていった。こうして構想から約3ヶ月を経て前進翼ダクトカナードが誕生した。なお、名前のプテラナードは翼竜に見えるとう意見が多く、翼竜プテラノドンとカナードの合成語です。

◆ 設計仕様
設計仕様については下記を目標とした。
1.未舗装から自走離陸できること。
2.前輪操舵できること。
3.ヨー軸の制御ができること。
4.操縦性が良好なこと。
5.シングルダクトで電流値に無理がないこと。ダクトの高効率・空気抵抗の減少、カナードの高揚力でカバーする。

操縦に関してですが、プテラナードは前縁エルロンという独創的なシステムを採用しています。これは前進翼に普通の後縁エルロンでは翼のネジレと効きが逆になり特に薄翼の機体では深刻な逆効きとなる可能性があります。実際紙飛行機の試験でも後縁ではまったくエルロンは制御できませんでした。ですから翼のネジレと効く方向が一致する前縁がよい思い、紙飛行機の実験でも実証されたので採用しました。

プテラナードのもう一つの目玉がこの前輪兼用前ラダーです。カナードでは中々有効なヨー軸の制御が難しいようです。主翼の垂直尾翼を動かそうものならたちまちフラットスピンなど不安定な飛行になります。考え方としてカナード・前進翼と全部これまでと逆な位置についていることを思うとラダーも逆でよいのではないという発想から前輪ラダーが生まれました。

通常の飛行機がテコの安定とすると、先尾翼は天秤の安定と言ってよいと思います。前後の揚力変化には大変敏感であることが紙飛行機実験でも感じていました。よって最初から保険的にジャイロ搭載をしました。結果については今後の報告とします。とにかくカナードの場合、ピッチを安定させ、フラットスピンとスパイラルを防ぐことに最大の労力をつぎ込むべきとの結論になりました。

設計図

ダクトをエンルート製(内径56mm)として胴体の大体と大きさを決定した。ダクト径に干渉しないよう主翼位置をぎりぎりに決定する。またダクトが胴体内で急角度をとらないよう総合的に位置を考えて決めた。また先尾翼は安定性を考慮し大きめに設定。翼型についてはねじり下げ効果のあるプログレッシブ翼(クラークY→対照)を採用した。


主翼製作1

主翼は特に今回は薄翼なので剛性に考慮して後縁はハーフプランク+ボックス構造で主脚の衝撃に堪える構造とした。この状態で70g。タイヤは写真のGWS38mmからOK模型の36mmに変更した。


主翼製作2

前進翼の大きなねじれ応力を考慮しスチレンフルプランクとしちょっとやそっとではねじれないガチガチの剛性とした。下面はほぼ平面に近い。


サーボの取り付け

エルロンサーボは動作の速いGWS NAROF+BBとし前縁をコントロールする。エルロンは下面バルサ、上面主翼一体スチレンとし、上面には隙間を設けない仕様。


胴体製作1

材料はカネライトフォームというもの。意外と切削性がよく大変作業が早い。25mmの板を4枚重ねて接着し、1日経ってからザクザクのこぎりで切った。その後は荒い木工用ヤスリで加工。軽くぺーパーがけ。1時間ぐらいでブロックからここまで出来きる。

胴体製作2 FRP1プライ目完了。エポキシの硬化は本当にぴったり3時間。作業できる時間は2時間程度。(気温25度)強度の欲しい部分は3プライ、全体と最低2プライとした。割って中を研磨しないためにテープを貼っている。PPテープを貼っているのでエポキシの伸びがよく刷毛で楽に塗り込めた。ロストモールド工法から一歩進歩し、この工法をテープパック工法と名づけます。

胴体製作2

エポキシ硬化後胴体を「ほじほじ」する。いきなりシンナーで溶かすのは大量に有機溶剤がいりそうなので出来るだけ手(ドライバや自在鋸)で発泡を削っていく。幸い吸気穴、排気穴、主翼穴、キャノピー穴がありますので、全部の穴を貫通できる。分割しなくても加工可能。内面を研磨しなくてもなしで済む。テープの糊面でFRPと発泡が分離していく。

胴体製作3
FRP胴体は81gという超軽量胴体になっている。裏面に残っていたPPテープをはがすと裏面は鏡面のようになっている。どんどん薄くなっているので透明度が上がってスケルトン仕様になっている。有機溶剤の使用はどうしても取れないノーズ部分を溶かした20ccに留まった。このくらいだと持って見ても「軽い!」と感じる。穴あきもなく、裏面を磨く必要もない。FRPを貼る面の平滑さは特に重要。


胴体塗装1

下地処理の最中。とりあえずラッカーサーフェーサーを1回塗ってみた。ラッカーとはいえ大変厚く重い塗料なので硬化したら水研ぎしてほとんど落とすつもりで行なう。


胴体塗装2

透明では凸凹がわかりにくいので水色を混ぜて下地塗装を行なう。毎回重量を測りながら水研ぎを行なう。仕上げまで胴体だけで30gは塗った計算になる。完全には凸凹はとりきれずこれ以上の塗装は飛行に影響するのでこのくらいで仕上げとする。

 


先尾翼製作

先尾翼はバルサ組後、胴体貫通カーボンパイプにで固定。接着後、0.5mmスチレンを貼る。エレベータはテトラエルロンホーンにより、エルロンのように胴体内でリンケージする。

 


仕上げ

最終塗装およびメカルーム製作。
エレベータ、ラダーリンケージ。
ジャイロ搭載。感度等調整。
ダクト搭載。

前進翼とお月様尾翼が印象的なトップビュー。カナードは主翼の44%の面積。

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